外国に住んでいる人と取引する際に気を付けておきたい事・・・売買編
あまりなじみのないお話ですが
非居住者との不動産取引において
気を付けておきたいこと
続編です
買主が源泉徴収する目的は売主の譲渡所得税等の徴収です
過去に何度か経験があります
転勤や移住に結婚
或いは外国に住んでいて
相続により不動産を取得して売却するなど
様々な事情で外国に住んでいる人が
日本国内にある不動産を売却する事があります
売主である日本人や外国人が非居住者の場合
買主が個人で居住用(賃貸するなど事業性除く)で
売買代金が総額1億円以下であれば
買主が源泉し所得税等を納める必要はありません
*売買代金は9900万でも固定資産税等の清算金を含め
1億円の授受があると該当します
買主が法人で社屋を建てるため売買契約を締結
代金総額1億円(資産税清算金込み)の授受がある場合
実務では
買主が代金より10.21%を差し引いた89.79%相当額を売主に支払います
仮に、価格が9900万の売買の場合
固定資産税精算金が100万ですので
本来であれば買主は売主に1億円を支払えば良いわけですが
非居住者との取引の場合
10.21%源泉するため、その額を差し引いた
89,790,000円を売主に支払い
源泉した10,210,000円は
決済月(残代金支払月)の翌月10日までに
買主の所在地を管轄する税務署に納税する事になります
現金で購入する例を挙げましたが
手付、後日決済の場合はその都度
手付も源泉徴収する必要があります
私達、不動産業者が取り扱う場合
売却相談を受けた段階で
売主が非居住者に該当する場合は
税務署の資料等を用い説明しているので
スムーズに取引頂いております
過去の経験で多いのは
売主が転勤や婚姻
また相続で取得し共有者の1人が非居住者の場合等がありました
実務では海外への送金はそう多くないため
お恥ずかしい話ですが
ここで失態事例を少し
共有で所有している不動産の売却です
契約書や登記書類のやりとりはEMS国際郵便で行い
契約時に手付金は現金で受け取ります
決済まで数ヶ月日数があり
為替は日々変動します
売主は日本含め3ヶ国に在住しているのに
代金支払時の為替レートの取り決めを失念しておりました
基本中の基本で当たり前の事ですが
外国へ売買代金を送金する時は
代金支払時の為替レートを予め取り決めておくこと!
日本円で売買代金1億と契約しても
代金を非居住者の住んでいる
現地の通貨で支払うのか
あるいは円建なのか
その時は買主さんのご理解が得られ
契約時より決済時は若干、円高になっていましたが
契約締結時のレートで決済しました
また均等でない共有持ち分
異なる通貨
頭はオーバーヒートで完全に思考停止状態
大変貴重な経験をさせて頂きました
それから残代金支払い時
日本国内だと他の銀行でも
遅くとも数時間で振り込まれますが
海外の銀行口座に送金すると着金確認できるまで
1日以上かかる場合があります
所有権移転申請は着金確認後となります
恐怖の空白時間
買主にはリスクがあります
理由は、買主が代金を支払い
所有権移転登記するまで1日以上あるので
二重売買など
不測の事態が起きる可能性もあります
さすがに保全することなく
ボケっと1日待つのでなく
買主さんの地位を保護するため
契約締結時に所有権移転仮登記は行っておりました
次回は賃貸についてお伝えしたいと思います。
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