アパートを相続したのはいいが・・・
兄弟で所有していた店舗兼アパート
原因は分かりませんが区分所有になっています
それぞれ相続が発生し、現在の所有者は
その子らが所有者となっています
という事は、いとこ同士で
1棟の建物を区分所有で保有しているのです
建物の用途は、1、2階は店舗
3階から上は住居となっています
用途により所有者が違います
建築後、30年以上経過し
法的にも様々な問題が発生してきています
差し当たり、解決しなければいけない問題は
消防法上の問題
歌舞伎町で発生した雑居ビルの火災
そして去年、大阪で発生したクリニック火災
それぞれ大勢の犠牲者が出ました
このような火災の後には必ずと言っていいほど
消防の立入検査や法改正が行われます
一定規模以上の建物は
ビルの防火管理者と各店舗の責任者を決め
避難計画等と共に消防へ提出しなければいけません
生命と財産を守るためなので仕方ありませんが
担当の業務は増えるばかりです
法律で決まったことなので進めていくしかありませんが
所有者によってはできないことも出てきています
先の例で話すと、
現在の基準をクリアするのに千万単位の費用が生じます
共有と区分所有では意味が違いますが
広義に解釈するなら、この問題は共有も区分所有も同じです
1棟の建物を複数の人で所有している状況と変わらないのです
1、2階だけ直せばいいものでなく
建物全体に関わることなので
区分所有者全員の同意を得なければいけないのです
意思の統一という意味では
それは分譲マンションでも同じです
違いは管理組合の有無ですが、
何かを決める時は総会の決議事項となり
一定の割合の同意がないと修繕工事も行えません
今回の消防法の基準をクリアする件でも
費用負担の問題で話が進んでいません
数年の賃料収入でも補えないほどの費用を要します
収益物件を相続したと喜んではいられません
相続だから仕方ないのかもしれませんが
売買でこのようなことは起こり得ません
通常、不動産の売買には業者が関わるからです
不動産の取引には様々な法律が関わってきます
免許を受けた業者が調査義務や説明義務を果たさず
買主が損害を被ると
1社の不動産業者だと1,000万 2社が関わっていると2,000万を上限として
不動産保証協会が救済してくれます
不動産業者は保証協会が買主に支払った金銭を期限内に返済しないと
保証協会から除名され相当の不利益を被ることになり
ほとんどの場合、免許取消処分となります
よって、対象物件の調査は十分に気を付けます
ただ、残念ながら一定の割合で事故は起きてしまいます
しかし、相続においては
明らかに問題が起きている事以外
他の家族は知る由も無い事がほとんどだと思います
がけ地に接している土地や古いビル、アパートなど不安がある場合は、
不動産業者に調査を依頼しても良いと思います
相続は権利であって義務ではありません
メリットよりデミリットが多い場合
3ヶ月以内なら放棄する選択肢もある訳ですから。
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