財産を分ける時の注意
10年以上前の話ですが、
離婚に伴う財産分与についての相談がありました
目的は不動産の評価
結婚後に築いた財産は
相続など特別な事情が無い限り
夫婦共有の物と考えて良いと思います
その多くは不動産
相談に来られ方も
自宅には奥様が住み続け夫が出ていく方向で合意
旦那さんは自営業で以前は業績が良く
事業は安定していたようで住宅ローンは全額繰り上げ返済し完済
ところが、その後、業績は悪化し自宅を担保にして市中金融より借入
奥様は住宅ローンを完済したことは知っていましたが、
自宅が会社の借入の担保に入っていることは知りませんでした
土地建物の評価のため謄本を取ると新たに担保が入っています
借入は他の土地も担保に入れて億単位の設定があります
奥様からご主人の会社の運営状況を聞くと思わしくないようです
なので、借入額はほとんど満額とみて土地建物の評価をしますが
財産分与どころの話ではないかもしれない事と、
ご主人と話し合い、自宅の土地建物を他の不動産と差し替えて
担保から外してもらえないか話してみるようお伝えしました
恐らく、会社の経営状況からすると
担保に入っていない不動産は無いものと思われ
有ったとしても既に売却済みと考えられる事をお伝えしました
結果的に、私がお役に立てる事はありませんでしたが
担保付きの不動産を財産分与で貰ったたとしても
将来、返済が滞ると競売等により失う可能性があり
借入額からすると、債権者も満額回収できるか疑問なので
売って余ったお金は当てにできない旨お伝えしましたが
奥様の落胆した表情を見た時、
何気なく伝えた自分を少し反省しました
時には、非情な事も伝えなければいけない時もあるというお話です。
不動産の売却にしても同じで、
所有者は、自分の不動産には深い思いがある場合がほとんどです
優良物件だと思い込んでいる事が多いです
価格にしても報道や人伝いの良い話ばかりが耳に残っており
客観的に判断できない場合があります
売る方は高く、買う方は安く、利益が相反するので仕方の無い事ですが
あまり気持ちが強すぎると、破談という事もありますので
時には、落しどころを上手に導くのも私達の役目なのかもしれません。
関連した記事を読む
- 2025/04/08
- 2025/04/07
- 2025/04/05
- 2025/04/04