親の認知症対策(病気の予防ではありません)
認知症とは
認知症とは老いに伴う病気で
記憶・判断能力の低下などがおこり
社会生活や対人関係に支障が出ている状態が
一定期間続き、65歳以上の約15%が認知症といわれています
高齢化社会に突入し今後も認知症の人は増え続けると予想されています。
なぜ不動産屋が認知症対策を勧めるのですか
ごもっともな質問です
この不動産屋は高齢者を騙して
不動産を売り飛ばそうとしている
悪徳不動産なんじゃないか
そのような疑いを持たれる方もいらっしゃるかもしれません
それでは、なぜ不動産屋が認知症対策を勧めるのかお答えします
私達の仕事は不動産の賃貸・売買の斡旋を行っています
親の老後の生活資金捻出や施設等への入所費用を工面するため
親名義の不動産を貸しだしその家賃で費用を賄ったり
また、子は独立し、それぞれ家を保有し実家には親しか住んでおらず
老人ホームや高齢者専用の賃貸住宅に入所することになったが
親の年金だけでは費用の工面ができず、誰も住む事もない実家を売って
その入所費用に充当したいとの相談があることがあります。
しかし、親が元気で意思能力(判断能力)に問題が無ければ良いのですが
意思能力に問題があると自分名義の家を貸すことも売る事もできません
軽度の認知症なら問題無い場合もありますが、医師の診断書が必要です
そのような理由でご希望に添えない事が多々ありました
それでは、なぜ認知症になると自分の家を貸したり売ったりできないのか
意思能力の無い状態で行った賃貸借契約や売買契約は法的に無効とされ、
取引自体が契約時にさかのぼって最初っから無かったことになるので
無効を主張されると、借りた人、買った人は多大な損害を被ることになります
このような事情で、老後の生活資金を捻出できなく困ったご本人や家族を見て
他に方法は無いものかと
弁護士との雑談の中で家族(民事)信託という制度がることを教えてもらい
自分なりに制度を調べ、これは使えると確信し家族信託の普及活動を行っています。
他に認知症対策はないのですか
金銭のみの管理、
例えば、不動産は含まず
親がそこそこの預金を持っている等の場合は
子がキャッシュカードを預かって
その都度、親の口座から引き出すことも考えられますが
カードの磁気が劣化によりATMで読み込めなくなると
カードの再発行時に本人確認などにより
金融機関に親の認知症が知られると口座が凍結される恐れもあります
マネーロンダリング等の規制により金融機関は資金移動に厳しくなっています
また、親の口座から子の口座へ資金を移動させ
子が管理するという方法もありますが
親から子への贈与と見なされる場合もありますので
子が管理するという契約書等にして書面に残し
贈与ではないという証拠を残す必要はあるでしょうが
税の番人である税務署が
どのように判断するかは未知数です
このようなリスクを排除するため
法律で認められた制度として成年後見制度と家族信託があります
次回は、それぞれの制度を比べてみましょう。
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