私道の登記漏れにご用心
相続がおきるとは価値があるものに目が行きがちですが
私道やセットバック部分を見落とすと後々大問題!
上の公図をご覧ください
地番15を相続で取得した方からの相談です
90坪と土地が大きいので半分の45坪を
息子に譲り家を建てたいとのお話です
敷地は二方で道路に接し
一つは公道に面しており15-2は
道路用地として市に公衆用道路として
分筆して収用されました
もう一方は2項道路に面しており
てっきり15と15-1の所有者は
同一だと思っておりましたが
15-1の所有者を調べたところ
15の所有者とは違う姓でしたので尋ねたところ
現所有者の亡くなった夫の祖父の名義で
晩年は南米に移住し
祖父は30年前に他界したとのことです
家を建てる場合、
4mの道路(建築基準法上の道路)に2m以上接しないと
家を建てることができません
よって、分筆し後ろの土地を
2項道路に接道させようとすると
15-1の名義人から承諾を貰うか、
購入する必要があります
15の所有者に調べてもらったところ
南米に移住した夫の祖父には子が5人おり
既に4人は他界し
残った1人は沖縄にいるようですが
施設に入っており
寝たきりの状態のようです
その話を聞いた途端
15-1を使って
接道要件を満たす事は困難だと思いました
夫の祖父の相続人は寝たっきりの子を含め孫や曾孫など
南米や沖縄に数十人おり
15-1の使用承諾若しくは売買は
全員の同意が必要であり困難なことです
このような状況になった原因は
15番に家を建てる際、
2項道路に接する部分は
セットバックしなければいけないので
その部分を分筆してしまい
尚且つ、相続時は15番のみ登記を行い
15-1を見落としていたのが原因です
セットバック部分は
固定資産税は課税されないので
毎年役所から送付されてくる
税金の納付書には記載されませんので
見落とされていた可能性があります
今回の場合、
公道に接している間口が広いので
2項道路を接道させるのでなく
公道に接している両サイドどちらかに
2mの専用通路を設けることで
15番の土地に
2棟の家を建てることができますが
状況によっては家が建てられず
土地を有効に活用することができない
となることも有り得ます
また、私道を共有で所有する場合なども
土地建物は名義変更したけれど
私道部分の名義をそのままにしていると
のちのち、問題が起きる可能性があります
可能性でなく
確実に問題が起きますのでご用心ください。
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