急かす業者には要注意!
問合せが殺到しているとか
品不足で商品を押さえるため
などと
多額な申込金や手付金を要求され
安易に応じると詐欺にあう可能性があります
宅建業の免許確認と失効の有無にも注意しましょう
報道でご存知の方も多いかと思いますが
大阪での不動産業者による詐欺事件
5人の方が約1億の被害にあったようです
モデルルーム等で購入希望者から
申込金を受け取る事もありますが
ほとんどが少額で3万~5万円程度で
キャンセルしても契約前なら
不動産業者は全額返金しなければいけません
今回の不動産業者は
1年前に大阪府より宅建業の免許を取り消されています
宅建業を営む際、
法務局に1,000万を供託するか
不動産保証協会に加盟し
弁済業務保証金を納めないと
国や県から免許の許可が下りません
これは不動産業者が
不動産取引により一般消費者に損害を与えた際
損害を受けた消費者を保護するための制度です
それじぁ~、
詐欺にあった5人の方の被害は救われるじゃないですか
と思われるかもしれませんが、
保証協会が被害を救済してくれるのは上限があり
1社あたり1,000万が限度なのです
今回の事件で表に出ている被害者は5人ですが
1,000万÷5人=200万 1人あたり200万!?
かと言うと、そうでもないんです
この制度は全員を救済するというものではなく
被害の申し出順となり
1番最初に被害の届け出をおこなった人が優先されます
例えば、
Aさんは不動産業者が売主となっている中古住宅を購入するため
500万手付を払って契約を行い、
1ヶ月後に残金の支払及び引渡の予定でしたが
その2週間後、
不動産業者が倒産してしまい物件の引き渡しが受けれなくなったとします
Aさんは不動産業者に、
迷惑をかけないのでもう少し待ってくれと言われ
人の良いAさんは業者の言葉を信じ待っています
そうこうしているうちに
同じく被害を受けたBさんが保証協会に相談した所
この業者の救済順位を1位として被害届を受理し
時を経ず3人目の被害者Cさんも順位2位として被害届が受理されました
Aさん、Bさん、Cさんとも被害額は同じ500万の計1,500万
保証制度は1社1,000万を限度としています
先に被害を届けたBさん500万とCさんの500万は弁済されますが
人の良いAさん
業者の言う通り1ヶ月待ちますが進展はありません
知人に相談したところ
このような制度があるということを教えてもらい
保証協会へ行くと、既に上限枠を満たしており
救済は厳しいかもしれないと言われ泣き寝入りすることになります
私達業者は、契約前に重要事項説明書を行います
重説で、1番最初に宅建業の免許に関する事、
次に営業保証金・供託に関する説明をします
つまり、不動産取引により損害を受けた場合
保証協会が1,000万を上限として弁済する制度の説明を行います
この悪徳業者は
恐らく、初めから騙すつもりだったのでしょう
このような説明がなされていたとは思えません
また、保証協会が業者に代わり被害者に弁済をおこなうと
2週間以内に業者は協会に被害額(弁済額)を返還しなければ
宅建業の免許を剥奪されてしまいます
このような事情により
この業者は府から免許失効されたものと思われます。
因みに、取引に2社不動産業者が関われば
上限枠が2,000万円となります。
*被害を保証してもらうには保証協会の認証が必要です。また、保証額の減額や
取引の内容によっては認証されない場合もあります。
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