『ぜったい儲かる』その言葉に騙されないで!
霧雨が降る朝です
梅雨も終盤に向かうのか
夏空が待ち遠しいこの頃です。
さて、今日は少しお堅い話です
古家付きの土地を売却するため
現地調査を行ったところ
どう見ても公図と現況が合いません
そう珍しいことではありませんが
あまりにも不整合すぎるのです
もう少し詳しく調べるため
航空写真を入手したところ
なんと、売却予定地は
隣の家が建っている敷地の
約3分の1までの範囲でした
約15坪ほど
隣地の敷地として使用されていたのです
庭ではありませんよ
家の3分の1は他人の土地に建っている
ややこしいのは
今の家主は借地権付中古住宅を購入しているので
一人の地主との認識が
ある日、突然、別の地主が現れ
地主が二人いるということになった
更に、もう一方の地主も底地売買で
所有者が変わっています
仮に、売却予定地の所有者をAさんとします
Aさんはこの土地を不動産業者から購入しています
これは明らかに騙されて買わされた土地建物です
この業者を訴えることもできるし
裁判になっても間違いなく勝てるでしょう
詐欺と言ってもいいかもしれません
訴える事をお勧めしたのですが
知人の紹介で、いい人だったからと
Aさんは訴える気はありません
この状態が何十年も続いていたわけですから
関係者から
時効取得を主張される可能性があったので
今回の場合、越境という表現が適切かは分かりませんが
越境状態、
つまり、他人の土地に自分の家が建っている事を認める文書を交わしました
立ち退いて土地を返して欲しいですが
現実的ではありません
一番の解決方法は、
現況に則した状態
ブロック塀の中心で分筆し取り込まれた15坪を
隣地所有者に買ってもらうほうがいいのですが
今、その分筆登記を受け付けてもらえていません
県や市も関係していますが
理由はいくつもの要因があり
絡まった糸を解すような作業が続いています
土地家屋調査士曰く
今までこのような経験は無く
他の調査士に聞いても、
そんな話聞いたことないと
相当イレギュラーなケースだそうです
この一帯、今では県道等も整備され
綺麗な街並みになっていますが
戦後、畑などが混在し
急激に人口が増えていくなかで
当時の測量の精度が今ほど正確でなく
事情を知りえた業者が
ひと儲けを企んでの仕業だと推測されます
不動産の個人売買や
いい人だから大丈夫!はご注意ください。
マンション以外の宅地や新築・中古住宅を買うときは
確定測量済みか否かを確認し
業者が話を濁したり応じてくれない場合は
境界に問題があると認識してください。
関連した記事を読む
- 2024/09/10
- 2024/09/09
- 2024/09/02
- 2024/09/02