返還予定の軍用地を家族信託しました
数年前、相続のお手伝いをさせて頂いたお客様
軍用地含む収益不動産を複数所有されており
誰に何を相続させるか
しっかりしたお考えをお持ちの方でしたが
納税資金を確保するため
処分する不動産を決めかねて
当社へのご相談でした
ある程度相談者の想いを聞いたうえで
何度も家族会議を行い
家族全員の同意を得て売却する不動産を決めました
話し合いをしているなかで、家族信託の説明も行い
複数の不動産を所有している高齢の親御さんが
万が一、認知症になった場合のリスクを説明したところ
ご本人が興味を示し子供たちを巻き込んで
信託の組成を行っていきました。
家族構成や兄妹の関係性、不動産の種類により
いろいろなパターンがあるのですが
今回は、20年という長い時間を想定しての信託設計
ほぼ兄妹全員が信託に関わってきます
生命の順序は年老いたものから
必ずしも順番通りとは限りません
私の父は39年前に42歳で他界しましたが
私の祖母であり父の母は10年前に90過ぎで他界しました
そのようなことも想定し、
受託者となる子が
県外に転勤になったり
病気で動けなくなることに備え
他の兄妹が変わりに信託不動産を管理処分できるよう
あらゆることを想定し信託の契約書を作成しました
初めての家族会議から信託不動産の登記が完了するまで約2年
皆さん、いまも元気にお過ごしです
返還予定の軍用地
毎年振り込まれる軍用地料
子の名義で銀行へ信託口座を開設し
今年から子名義の口座へ賃借料は振り込まれます
地主会へも届け出を行いましたが
そこの地主会では
信託による変更届は初めてで第1号とのことです
話を戻します
必要となれば
子が軍用地を売却することもできます
但し、実質的な所有者は親なので
確定申告等は親が行い
譲渡所得税は親に納税義務があります
繰り返しますが、
返還時に親が認知症になっていれば
不動産を売ったり
あるいは
返還された土地に建物を建てたりすることができません
また他の収益不動産も
親が認知症になれば法律行為を行うには
後見人を付け裁判所の許可が必要になります
そのような煩わしさを避け
タイムリーに行動でき
信頼できる家族で財産を管理していける家族信託
今回の信託も公正証書で作成しました。
信託とはどういうものなのか
知っておくだけでも損はありません。
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